博士(工学)上智大・院・理工 講師

専門分野反応性気体力学、燃焼工学
研究課題/長期乱流予混合火炎の火炎構造の解析
研究課題/短期乱流予混合火炎の火炎面の挙動と流れの相互作用の解析

研究テーマ ‘乱れ’ による燃焼促進のメカニズム

当研究室では、‘乱れ’による燃焼促進のメカニズムの解明をテーマに研究をしています。火炎に乱れを与えると、燃焼が促進することは、経験的にはよく知られており、実際に自動車用ガソリンエンジンをはじめとする実用燃焼器で幅広く利用されています。したがって、乱れによる燃焼促進の効果を定量的に調べることは、より効率のよい燃焼器を設計するためには必要不可欠です。
しかし乱流燃焼は、乱流という複雑な流体現象に加え、燃焼という急激な温度変化および無数の素反応を伴った化学現象であるために、乱れと燃焼促進の効果を定量的に検討することは困難を極めます。

レーザ流速計(LDV)による流れの計測

当研究室では現在、火炎面の挙動が気流へどのような影響を及ぼしているのかを実際に計測することを試みています。この計測を実現するために、火炎面の挙動の計測にはイオンプローブを、火炎帯中の気流の変化の計測には3次元のレーザ流速計(LDV)を使用しています。

特にイオンプローブは、炭化水素系燃料を燃焼させたときに起こる化学イオン化反応により、火炎反応帯近傍に形成されるイオンを電流として計測するものです。このイオン電流は数nAオーダであるために、計測が困難であり、この計測ができるのは、当研究室を含め、世界的にも一部のグループに限られています。この技術を応用することにより、火炎面の挙動を計測することを可能としました。
そして、火炎面の挙動と気流が変化する様子を同時計測することによって、火炎面が通過する方向と、気流が変化する方向の関連性などを明らかにしました。

気体の膨張と気体の速度ベクトルの変化の関係