博士(工学) 三重大・教 教授
専門分野 | 複合材料力学、計算力学 |
研究課題/長期 | 複合材料の力学的挙動シミュレーションに関する研究 |
研究課題/短期 | インクルージョン要素法による織物複合材料のシミュレーション |
研究テーマ 複合材料の力学的特性評価
複合材料は,巨視的に異方性材料として取り扱われることが一般的ですが,微視的には不均質で異方性となるミクロ構造を有しています。そのため,物性予測や破壊挙動は,非常に複雑なものになり,ミクロ構造を考慮した複合材料の解析が必要となります。そこで,当研究室では,等価介在物法を用いた複合材料の特性評価ツールの開発や有限要素法による解析システムの開発を行っています。等価介在物法は,有限要素解析ほど応力分布を詳細に得ることはできませんが,巨視的な機械的特性やグローバルなひずみに対するローカルなひずみ等が高速に算出でき,粒子分散型から連続繊維型複合材料に至るまで幅広く適用可能です。
有限要素法は,今や解析のスタンダードと言ってよい手法ですが,織り構造のような複雑なモデリングには限界があります。そこで当研究室では,有限要素法と等価介在物法を組み合わせた”インクルージョン要素法”という新しい解析手法を提案し,複雑なミクロ構造を有する複合材料設計のための解析システムの構築を行っています。現在,複雑な内部構造を有する織物複合材料への適応を試みており,2D織物や3D織物のミクロ構造を考慮したシミュレーションが可能になってきています。また,顕微鏡を用いた三次元画像相関法による非接触ひずみ測定技術を利用して,従来のひずみゲージでは測定困難な材料の特性評価を行っています。