課程紹介

幅広い分野の科学技術を総合して機械を構成する動力・伝達・作用のメカニズムを学び、新たな機械システムを構築できる人を育成します。

自動化から知能化へ、複雑かつ微妙な動作も可能となった”機械”。携帯電話、自動車、ロケット、ロボット・・・。私たちの身の回りにある機械は、さまざまな科学技術の成果を集約して開発されています。例えば、自動車において、エンジンには力学・エネルギー変換工学、伝熱には機械工学・機構学、設計には流体力学、安全性や機構には材料力学・機械材料学、コンピュータ制御を伴う機械の設計には回路・制御などの理論や技術が生かされています。

機械システム工学実験 小型エンジンの
分解・組立実習の様子

機械工学・ロボティックス課程では、数学や物理、コンピュータなどの基礎知識はもちろん、力学や熱・流体、メカトロ・制御、材料・加工、機械設計、システムなどの専門分野をバランスよく学ぶことで、原理や理論をしっかりと身に付け、実験や実習を重視したカリキュラムによって、幅広い知識・技術を習得し、それを実際に応用できる能力を身に付けた人材の育成を目指しています。

学びの特色

ものづくりの原点・本質を見極め、最新領域にアプローチします

CAD設計・加工などの講義・実習ではモノづくりの原点・本質を体験・理解し、それらを実験・実習・演習で再認識することで応用力も習得。さらに実社会でも役立つ知識・技術の習得など、総合的な応用力を身につけた上で、最新領域にもアプローチします。

多彩な分野にわたって、系統的かつ総合的にバランスよく学習します

最先端の機械にはさまざまな学問知識・技術が集約されています。本学科では、それら広範囲の知識の習得と応用力の育成を目的とし、多様な科学分野の成果を総合した新しい機械技術を創造していく人材の養成を目指しています。

次世代を担う先進的な研究開発を3系列の分野で展開します

本学科では、力学系分野、エネルギー系分野、システム系分野の3つの分野に分かれ、先進的な研究開発を行っています。

機械を構成するメカニズム

・力学
・材料力学
・回路・制御

・機械力学
・熱工学
・材料・加工学

・機構学
・流体工学

総合的な実践力

3つの専門分野

力学系分野

安全で信頼性が高く経済的な機械システムの構築において中心的な役割を果たす技術者、研究者の養成



 機械力学
 材料強度


エネルギー系分野

流体力学、熱工学を基礎に、それらを総合化した熱流体工学、エネルギー変換工学を構築し、効率的で地球環境にやさしいエネルギー技術開発が行える技術者、研究者の養成

 熱
 流体
 エネルギー

システム系分野

機能材料とマイクロエレクトロニクス。センシング技術の発達により作りだされる新しい機械システム、人工知能の応用による人間にやさしいシステム作りに役立つ技術者、研究者の養成

 材料物性
 メカトロニクス
 知能システム
 物理・計測

カリキュラム

力学

機械工学の基礎である「機構学」「材料力学」「機械力学」などを学び、機械、構造物の設計のための基礎を身に付けます。また、新しい機械を創造するための豊かな発想力が養われます。

メカトロニクス・制御

「制御工学」「電子制御」「ロボット工学」「メカトロニクス」など、古典制御から現在制御に至る理論体系を学び、工場のFA化、人にやさしいロボットの開発に関する基礎を身に付けます。

材料物性・加工

「機械材料学」「物性工学」「材料強度学」「機械加工学」を学ぶことにより、機械、構造物の強度設計に関する基礎を身に付けます。確かで信頼性のある機会・装置の設計・開発を可能にします。

機械設計とCAD

「機械製図」「要素設計」「設計製図」があり、一人1台のドラフターとCADを使い、機械技術者として必要な機械設計に関する基礎と応用を、演習を通して3年間でマスターしていきます。

卒業後の進路・就職先

卒業研究テーマ(抜粋)

力学系

ミスチューンを有する翼・ディスク系の振動特性に関する研究(金子研)
疲労強度に及ぼすHAD被膜の影響に関する研究(譽田研)
テキスタイル複合材料のインクルージョン要素解析に関する研究(辻上研)
骨形状と筋強度を個別化した変形性関節症の歩行動作の筋骨格シミュレーション(田原研)

システム系 -メカトロニクス分野-

ハプティックシェアードコントロールを用いた操縦支援装置による水中ロボット作業の効率化(坂上研)
バイオリン演奏ロボットの移弦動作に関する研究(渋谷研)
アメーバの推進原理を規範とした自走式大腸内視鏡デバイスの開発(永瀬研)

システム系 -材料・加工分野-

GFRP製多層回路基板のマイクロドリル加工について(小川研)
薄肉管の摩擦圧接における接合条件が継手特性に及ぼす影響(森研)

システム系 -物理計測分野-

超磁歪合金Terfenol-Dを用いた回転角度センサーの開発(左近研)
生物試料観察用準超薄切片のSEM観察(前田研)

エネルギー系

熱交換器における伝熱管形状の影響(塩見研)
バルートの変形が再突入飛行体の空力特性に与える影響の評価(大津研)
充電池電気自動車エコランレースに関する研究(野口研)
ホローカソードの内部プラズマ特性に関する研究(大塩研)